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2007-05-25

[]本を閉じる時 03:33 本を閉じる時 - 狂人花畑番外地 を含むブックマーク はてなブックマーク - 本を閉じる時 - 狂人花畑番外地 本を閉じる時 - 狂人花畑番外地 のブックマークコメント

大庭みな子さんが亡くなった。

先週まで私はこの本を枕元に置いていた。

大庭みな子全詩集

大庭みな子全詩集

若い頃は自分で探しあてた本しか読めなかった。音楽をやっていたからというのもあるが私の周りには本を読む人がひとりもいなかったのだ。10代後半から20代にかけて私が取り憑かれたように著書をすべて読んだのは森瑶子だけだった。(彼女の本だけはどこへ引っ越そうとも必ず全部ダンボールに入れられて移動を繰り返し、共に生きてきた)フランソワーズ・サガンにしてもなんと森瑶子から教えられたという悲劇を通り越した喜劇

最初に読んだのは『虹の繭』。図書館でタイトルに惹かれて何気なく2,3行を読んだだけで眩暈がし、作者を知らぬまま借りてきた。一分の隙もないその文章に胸が締めつけられて私は何度も本を閉じてしまった。その一行一行が私を『凡人め』と嘲っているようで、自分の無知無能があまりにも恥ずかしく悔しく、情けなさに泣けた。どうしてこういう素晴らしい作家を知ることができなかったのだろう。もっともっと若い頃に出会うことができたなら。そう思って涙が止まらなかった。

虹の繭―大庭みな子自選短篇集

虹の繭―大庭みな子自選短篇集

今は倉橋由美子の『聖少女』を読んでいる。(今さら、だ!)そしてまた読み進めることができずに何度も本を閉じるのだった。感嘆と嫉妬の連続によって。年老いてしまった自分への絶望によって。感性の“みずみずしさ”は二度と取り戻せないのだ。

聖少女 (新潮文庫)

聖少女 (新潮文庫)

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