愚民の唄 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 09 | 10 | 12 |
2008 | 01 | 03 | 08 | 10 |
2009 | 01 |
 

敵も愚民である

-愚民唯我独尊ごろくより-
 

2006-12-08

[]第1回合評会の自分なりの評。 05:01 第1回合評会の自分なりの評。 - 愚民の唄 を含むブックマーク はてなブックマーク - 第1回合評会の自分なりの評。 - 愚民の唄 第1回合評会の自分なりの評。 - 愚民の唄 のブックマークコメント

今度はどのような殺し方を考... - プーチン大統領 - Hatena Serif

 時間の合間を狙って読んだ順に書いていきます。というか、ようやく読みはじめています(汗)。しかしみんな巧いこと書いているな。なんか残飯食いみたいになるけどみんなの批評の後を追います。

記:2006-12-07id:namgen:20061210:1165212070へTB

【南無の視点】

コンテンポラリィ・ユニットGid:PacoGarcia

 原稿用紙にして20枚ちょい越えってところだろうか、いつもながら感心するくらいの巧さでまとめられている。盛り上げ方もそつがないくらいである。今まで彼の書いたものを読んできている身としては、ほーう、こう来たか・・、と思いながら読んでいた。彼得意の関西弁、京都、と「場」を設定してストーリーが進んでいく。また、それが彼の持ち味でもあるといえよう。想像でしかないのだが構成的に言うならば既に展開が決まっていたのだろうと推察している。

 始まりは大阪であり次に突然父の死亡事故が起きた京都葛野大路四条辻に飛ぶ。id:h_cat:20061205:1165287563も言っていたがシナリオ的な手法ていうか、場面転換の挿入方法には違和感もあった。テクニック上はハード・アクションものにはありえる手法だと思っているが今回のような作品に必要なのだろうかという疑問は残った。自分もシナリオを読むという経験はしているのだがそのあたりを思い出してしまいひっかかりが最後までぬぐえなかった。力量から言えばid:h_catも指摘しているように、そういう挿入を借りず書き表す事をしなかったのは残念である。またテーマについて言えば父性の確認といってしまえばそれまでなのだろうが、もう一工夫が欲しいと思うのは欲張りだろうか。初めて読むものには亡き父が現れるシーンにそれなりの感動を覚えることもあるかも知れないが、ちょっとくどいかなぁと思った。自分も若くして父を亡くしているのだが作者の描くようなものは無い。女郎屋で素っ裸で寝ている父の記憶はあるのだけれど。したがって自分にとっては生活臭が無く余りリアリティをもって迫ってこなかった。美しさとは何か、ちょっとこれと違うんじゃないかと、内省的に考えさせられた一作ではある。今後の絶望と醜悪さを醸し出す自己革命に期待します。

コンテンポラリィ・ユニットG - 狂人花畑番外地 - 殺意の谷id:h_cat

 おそらく彼女が書いたストーリィとしては最も長いものになっている。原稿用紙にして40枚近くなると思う。まず短編として持続できたと言うことを褒めてあげたい。実際に秋田で起きた畠山事件をモチーフとしている。ろくでなしの踵に書いているように同性として彼女なりに触発をされてと思っている。

私の読解力不足からかも知れないが、何箇所か、前へ戻って読み直す必要があった。ダメを出すのがその点だけであることが悔しい。

  -「殺意の谷」に対するPacoGarcia評から抜粋-

 id:PacoGarciaも評の中で書いていたと思うが、私も違った観点かも知れないがよく似たことが起きていた。特に感じたことを書かせて貰う。

「おにいちゃんズルイ!もう代わってってば!ねー!ねーってば!」

この春から健児は年長さん、裕太は3年生。3つ離れた兄に(中略)

・・・・

だっていつも健児ばっかり甘やかされて、健児ばっかり可愛がられて、ケンジばっかり、ケンジばっかり・・・。

 この間、私は何度も行きつ戻りつをさせられている。少しでも流れに乗ろうとしているのだが寸断された。既成言語がどこかで腑に落ちない故の思考の寸断に遭遇したのである。当初は「健太」「裕太」と兄弟名が表示してありどちらが長子であり次子であるかに戸惑ったからだ。今は「健児」と直されているがやはり初めて読むものには同じイメージを浮かべるだろう。名前だとはいえ書かれた言葉には違いなく、イマージュが言語の累積性ともいえるところで励起されると言うことを今後考えて欲しい。「健児」単独で読む状態になる場合長子だったか、次子だったか、という現象が全体の流れの中でも起きうる可能性がある。但し、もう少し特徴を持たせた名前であれば別なのだろうと思う。また、海彦、山彦のように二人っきりの物語であればさほど思わないのだろう。もっとも私も「美嘉」という名をわざと使っていますが(汗)。

 取りあげたテーマといい構成といい彼女の現在の最高の位相を示しているので、とやかく言いたくないが、構成の盛り上げ方として手はまだまだ入れることが可能なストーリィであることは間違いがないだろう。今後にも期待します。

呪文 - 風呂場猫のハタ織り - コンテンポラリィ・ユニットGid:otama-neko

 一太郎で縦書きに変換して行間も自分なりに納得する行間で空白行である幾十行かを削除して読ませて貰った。眼前に現れたのは原稿用紙にして17枚弱である。

 よくぞここまで書けたものだと正直言って思いました。元々このような片鱗を私も認めていたのだけれど、頑張ったものだと感心しました。オープニングも全く文句がつけれない。表現力もある。適度に制御されている文体は一気に人を引き込んでしまう。しかし、よくできました○って訳にもいかないのがこの「コンポラG」のいいところである。まず女の視点や感性はこういうものなのかという疑念もある。もし読み手の男に説得性を持たす事が出来ないとしたら女にも説得性が無いのではないだろうかという、一種の邪推に近いものを私は持ってしまったのである。女なればこそ己の醜さもわかるというものであり、確かにそういうことに於いては恐れを抱く老いや焦がれる美というものへの偏執は大切である。また描かれているように女の生活過程から来る一種の疲れみたいなものも逃さず書き込まれてはいる。幻想の中の自分と生活している妻であり姑の世話をしている主人公という設定は一番今回のような対比性を持たせた作品には都合がいいことも実際のところある。まして彼女の実際の職業性から来る体験なのか姑の描き方が秀逸である。かえってもう少し介護の場面を薄めた方が良かったような気もする。

 だが、女が愚かでない分、男も愚かではない。また女が冷静である分、男も冷静であるはずである。つまりのところ、この美しく書かれている大人としての世界のどこかに致命的な綻びがあるのではないかと思ったわけです。構成としては巧いし、それなりに読ませているのだが、どこかがおかしいと気づくまでにそんな時間はとらされなかった。女の幻想にしか過ぎない、ここに登場する男は、対象としてまさしく非在の彼女の眩惑された白昼夢なのではないかと思わせてしまったのである。私の男としての感性がそう読ませてしまった。男盛りの遊び人は白髪が生えていても若くいい女に向かうものだ。過去になった女に向かうはずもなく、あるとすれば憐憫だけである。それをこのヒロインは気づいていない。女にあるとしての肉体の老いとか、そういったものは男は考えないと思う。その前にこれほどの男であれば過去の女であり、人妻であることを考慮に入っていれば会うことはしない。それが遊び人としてのルールだからである。もしこのような男が居るとしたら落ちぶれしまって綻びが目立つ醜い初老の男か勃起症の男でしかない。またそのような男であれば彼女は寝ないであろう。

 ただ、女の心理みたいなものは巧く書けていると思う。その分、もう少し女を醜く、書き手の男に対しての表現に感情移入をしなかったならば、より深味を出せたのではないかと思った次第である。でもここまで書けると言うことはお玉さんも凄くなったものだ。今後が楽しみである。

コンテンポラリィ・ユニットG - BOBOBOの日記 - 塒(ねぐら)id:BOBOBO

 先にh_catの評を読んでいたので反則読みかと思うが、読ませていただいた。誓って言うが「ところで、全員タヌキかよ?でいいのだろうか。」というところの意味を読み終えて理解しました。なーるほど、で、「ねぐら」なのか、と。読んでいる途中何度もクスクスと笑いながら読んでいたことは事実である。

 僕という一人称小説として書かれている。結構それなりのテンポもあり意外とすらすらと読めるが、途中で数々の疑問が浮かぶように仕向けられていて彼独特の饒舌さで我々を引っ張り込んでくれる。仕掛けを作るのも意外と楽では無いだろう。途中から冗長な感じがしたが読み終えると、それらはいくつかの場所性を有するために必要で書かれていたことに気づく。暗示を沢山仕掛けてあるというわけです。彼らしい人を食ったようなストーリィに仕上がっている。女子学生もタヌキなら横のジイサンもタヌキ、そして「僕」もタヌキ、いやいやひょっとしたら人間との混成軍であるがゆえに身分がばれないように、それぞれがいるのだろうか?とか考えていた。考えてみれば電車のドアにはさまれた女子学生のスカートが尻尾だとすれば当人、いや、当該タヌキにとっては由々しき問題であるとともに周囲で見守るその他のタヌキにとっても不安を与えるだろうと思われる。彼女が跳ね飛び逃げる様はまさしくタヌキであった。

 結局は作者もタヌキという結論に到ったのである。北関東には沢山住んでいるのだろうな。

 話は変わるがこれを縦書きにした場合のことも考えていた。うまく見えるのだろうか。改行の嵐も気になるにはなるがテンプレのスタイルシートからどの道制限を受けるだろうし今回は問わないことにした。。

一応読んでいるときに気づいたことを下に。

関係ないものを見るようなフリをして、窓から車外を除く。→覗く、の誤りではないだろうか。

茂林寺を経って数分後、列車は終点の館林駅に着く。→経て、或いは発っての方がしっくりこないだろうか。ま、漢字を見るというところくる感じ方だが。

 ということで面白く読ませていただきました。

コンテンポラリィ・ユニットGid:deepred_9

 さてどう書こうか相当悩んだ。淡々と進んでゆく情景、彼女らしい一見すると鷹揚の少ない言葉で進められてゆく。この人はこういうのを書かせると天下一品なのかも知れない。少なくとも私はどう転んでも書けそうもない事であることは間違いないだろう。また物語における人間関係もはっきりしていて掴みやすくプロットも作られている。そう言う意味ではこの短い中でさりげなく配置されている人間像、特に子供達の行動や仕草も細かいところまで目が行き届いている。

 途中意図的に考えられているのか姪のゆりちゃんがなかなか戻ってこなかったり、車の往来の不気味さとが重なるように書かれており不安感を醸し出したりしていて結構緊張感を持たされたりしながら面白く読めた。

 ただただ、惜しむらくは「りょうちゃん」の子供達に対してと当人自身の思いをもっと絡ませて欲しかった。特に「りょうちゃん」の心象をもう少しなんとかならなかったのだろうかと思ったのは私ばかりではないだろうと思う。もう少し長くなるべき物語のはずだ。

 最後にこの主人公に性を感じられなかったことも伝えておきたい。

コンテンポラリィ・ユニットGid:susibar

 どうしてやろうか、と思った。悲劇なのか喜劇なのか、只々読まされていった。何回も涙が出るくらいに笑い転げながら読んでいた。ライト系を書かせると絶妙に巧い。今まで読んだ中で一番面白かったような気がする。これって、落語仕立てなのか?笑わせてしんみりとさせる技が満載の少し長いショート・ショートみたいなものだと思えるがね。アイロニーに満ちた子供の語りがまるで大人だ。つまり大人達が子供なのだと思わせる手法なのだろう。彼自身が医者の家に生まれ今は跡を継いで医師になっていることを考えると自分自身の子供時代をデフォルメしているのかなと感じるところもありました。とにかく面白く読めました。ただショート・ストリィなのかといえば微妙だな。長くなるとこの面白味は消えるだろうし、アナタにとってこの問題は大きい問題になってゆくような気がする。でもこのくらいの長さの時に一番本領を発揮できるのかも知れない。

『狼煙』 - tatsu del cieloid:tatsu_del_cielo

 読んでいる順なので許されたい。あらかたのことはお玉さんid:otama-nekoに対して書いているので仕方がないと思う。

 だからその後にこれを読んで評をするのも如何なものかと思う。お玉さんへのレスポンスという制約をそもそも受けているからだ。ある意味では(3)でのミラー越しと言うことになり答えは出てるも同然である。このような感覚を彼が持っているとは思っていないので御安心下さい。いつかそのような女に出会えばいいね。では気づいたことを下に。

あまりの無情感に、眠れない夜が続いていた。→使い方としてはあるのかも知れないが前後関係から考えると心象の諦念観から見ると「無常感」か無常観だろう。

 では今後宜しくお願い致します。

ブチコ - ことだまり - コンテンポラリィ・ユニットGid:puyop

 まず、id:susibarさんの言葉を先頭文にしておく。

小動物死んじゃう系のお話は俺的にある意味反則です。卑怯です。

 締め切り遅れたし・・・。

合評会へよりid:susibar

 えぇ、私もそう言いたい。猫はよくわからないが犬においては格別の思いがあるからである。それを横に置いても凄く巧いとしか言いようがない。わざわざ読むのを最後にしてよかったと思った。涙もろいと言われればそれまでなのだが涙なしには読めなかった。鬼の目に涙とも言うのだけれども確かに小動物系の物語は故意に読まないようにしているからである。

 方言が醸し出すものを精一杯駆使して創られたこの物語に拍手するしかない。また政恵を取り巻く二人も巧く描かれている。エンディングがまたこうしかないという形で素晴らしかった。きっとこういう事故がなかったら今度こそ勇気を振り絞って夫に嘆願するのではないだろうか、と思いたかった。それは読み手に願望を引き起こさせるほどのものがこの展開の中にあるからである。そうしないことを示唆しているのも、このテーマの一つなのだろうと思う。ブチコか、書かれて残像として残りうる猫もいるのだなぁ。批評にならなかったかも知れないが思ったことだけ書かせて貰いました。あなた、うますぎ。

 以上で御座います。

susibarsusibar2006/12/08 18:54この長さを越えてなおかつ面白さを出さねば先がない。と肝に銘じていきます。

tatsu_del_cielotatsu_del_cielo2006/12/08 21:45あっ!
いけないっ!
「無常感」です「無常感」。。。
ご指摘ありがとうございます。
また後ほどです。

PacoGarciaPacoGarcia2006/12/09 07:44やはり綻びが目立つ作品になってしまいました。我ながら情けない。いつもながらご指摘の鋭さに脱帽するばかりです。美しいだけの物語はしばらくお預けにしようと思います。甘えを排して自己改革しなければ進歩はないと痛感した次第です。メンバーも着実に力をつけてきていますのでうかうかしていられません。今回の企画、素晴らしかったです。

h_cath_cat2006/12/09 11:58全編に渡っての細かい指摘、ありがたいです。名前のつけ方だけでなく、自分のイメージの中での思い込みから一歩離れて客観的になってみるためにも(私は特に)脱稿してからの時間を充分とらなければ、と思いました。ありがとうございます。自分への批評もさることながら、お玉さんへの評が最高に面白かった。きっと皆「ううう」と項垂れていることでしょう。書くということは実に恐ろしく面白く耐え難い苦痛に満ちた離れることのできないecstasyであります。

BOBOBOBOBOBO2006/12/10 00:06完全に誤字です。ありがとうございます。
改行については全く無神経でした。後から更正しやすい、という理由だけでやってました。

otama-nekootama-neko2006/12/10 00:20わざわざ一太郎で行間を整えて、読み込んでくださったことに感激しました。今回、自分でおぼろげに「変」だと思っていたことがなぜそうなのかを、的確に指摘されたような気がして愕然としました。私がこれからものを書く上で、要となりうる大切なことを教えていただいた気がします。良い形で次回に繋がるよう、書いてみたいと思いました。すごく励まされました。ありがとうございます。

deepred_9deepred_92006/12/10 01:01今回も酷評を頂くだろうと思っていましたので、少し驚いています。
主人公については、これでは主人公がこの設定でなくても十分通じてしまう話だと思っています。まだまだ登場人物が描けていません。ありがとうございます。

puyoppuyop2006/12/10 23:07遅くなりました。
結果的に、なんだかコメントし辛い作品になったようで、ちょっと意外でした。
(えっ?あっ。いや、そういう意味ではなく^^;

こういうネタは、「むつごろう氏」を目指さない限り、何度も使えるモノではないですから、この作品で得たモノを、次にどう活かすか、考えていきたいと思います。
コメント、ありがとうございました。