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2008-01-09-Wed蜜柑の花

otama-neko20080109

[] しおかぜ15号 23:29  しおかぜ15号 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  しおかぜ15号 - 風呂場猫のハタ織り  しおかぜ15号 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント


たん たたん たん たたん

たたたん たん たたん たたん

 

枕木の音を数えるうちに、トンネルに入った。

薄暗い電灯に照らされた初老の男の横顔が自分の顔だと、目が慣れるまで気がつかなかった。

「もぉし、今、何時になるぞなぁ」

柔らかな訛りの言葉で時間を訪ねられ、腕時計に目を落とす。

あと数時間であなたの通夜は始まる。



車窓の脇のこの旅行鞄に見覚えはあるだろうか。

渋チンの親父に内緒で缶詰工場の給金を少しずつ貯めた封筒を握りしめ

街に一件しかない洋品店のショーケースの前で、あなたは大きく息を吸い込んだ。


あれをください。ええ、いいえ、そっちの大きいほうです。

ええなあ。キヨシ。これならようけ入るぞな。

おかげさまでこの三男坊も就職しますけん。あしたのフェリーで神戸に発つんです。


俺はずっと下を向いていた。

あなたはモンペの素足に草履をひっかけていた。

松笠みたいにひび割れて寒々と晒された足先の小指だけを、

それから、都会で何十年もの間、この鞄を見るたび思い出すはめになった。



写真は一枚だけ。

嫁入り前のあなただ。

それを選んで持ち出した理由は、覚えていない。

アルバムから乱暴にひっぺがして真新しい鞄に突っ込んだ、この色褪せた写真のことを今夜兄弟達に詫びよう。


トンネルが終わると、瀬戸内の海岸線がまた始まる。

窓の爪を両手でつまんで勢い良く上に開けた。

カーテンがひるがえり、座席は潮風に包まれる。

ななめの席、ふろしき包みを抱えた年寄りの顔が眩しそうにほころぶ。

磯と、濃い花の香り。

西日さす山の段々畑に、懐かしい白い花が咲き始めていた。



◆フィークル短歌仲間の一愚さんの短歌に触発されて。わたしも歌を詠むみたいに書いてみました。

http://www.feecle.jp/blog/?b=irugu&p=105#tag_105

iruguirugu2008/01/10 00:59おお!

otama-nekootama-neko2008/01/10 06:29なんだか、こういう情景を返歌したかったのですが、うまくまとまらなかったので、書いてみてそのまま載せました。いいたいことを三十一文字に凝縮するのは、いつでも難しいです。でも楽しい。

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2007-07-22-Sun

奥さんのここもう○○だよ

[] へのへのアート(続編) 22:58  へのへのアート(続編) - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  へのへのアート(続編) - 風呂場猫のハタ織り  へのへのアート(続編) - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント

前回ミニウケいたしましたので、またちょっと描いてみました。


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【えろえろもえこ】

アッキーさんからのお題。

ふたつならんだ『ろ』で倖田來未ふう大胆衣装と

豊かな胸を表現してみました。





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【そーそーせいかい】

「確かにお前の言うことは正しいよ。正論だよ。俺だってそう思いたいさ。

でもな、ボーヤ。世の中にゃ筋の通らねえことのほうが多いんだよ…」

みたいな表情を追ってみました。





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【へろへろダメぽ】

「先輩。俺もう酔っぱっす。明日なんかどーでもいいっすーっ」

「…お前さ、電車乗るときは、頭のネクタイはずせよな」





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【もーわからない】

考えてもわからないことは、素直にわからないと開き直る。

思わせぶり、知ったかぶりはしないほうが賢いのです。






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【もうかりまっか】

お題をもらって描いた作品。

大阪の商店街のおばちゃん。腰はひくいが、もうけてまっせー。

ところで、この言葉っていまでもリアルに使われているのでしょうか。







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【ぼちぼちでんがな

これもお題をもらいました。

関西の商売人(居酒屋とかテキ屋)を想定して描いてみました。

左の『ち』が生ビールジョッキにみえたらうれしい。







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【もろもろかんがみて】

「いろいろと検討したうえで善処致します」みたいな小難しい言葉を

オトナはよく使いますが、これって「ハナっからその気ないから、忘れてね♪」

みたいな、だいたいそうゆー意味と思ってよさそうです。






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ヴァヴァー氏ね】

はたして、罵倒に愛を込められるのか。実験作品です。

『ね』はマシンガン。右上にウンコ投げてます。






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【奥さんのここもう○○だよ】

ええと、言葉責めの定番っぽいです。それでも、プレイ中、「いったい何やってんだよ、オレ」と、ふっと我にかえった表情を描けたらと思いました。

akky20050605akky200506052007/07/23 08:59おー。さすがですね。「ろ」を2つ横に並べるのは思いつかなかったなw 眼の下の「こ」がまた微妙な媚態を作り出していてステキです☆
また「ヴァヴァー氏ね」は、投げ上げたウンコが自分の頭に落ちてきそうになっている様が、この言葉の天に唾する様を表現しているようでなかなか乙です。

otama-nekootama-neko2007/07/23 22:11今回、おもしろいお題をもらって、楽しんで描けました。ウンコはあからさまに投げたりするものではなく、笹の葉に乗せ上流から下流へとそっと人知れず流すのが風流でワビサビ。ミニブログhttp://huroba-neko.feecle.jpで、はじめたのがきっかけです。恥ずかしながら、へたっぴな短歌なども始めました。アッキーさん、もしもIDあれば冷やかしにきてくだされ♪

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2007-07-20-Fri

otama-neko20070720

[] へのへのアート  06:58  へのへのアート  - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  へのへのアート  - 風呂場猫のハタ織り  へのへのアート  - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント

みなさんおはようございます。

ちょっといきぬきに筆ペンをとりて『へのへのアート』してみました。


そのいち【へのへのもへじ

男らしい茂平次さん。

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そのに【へのへのもへの】

もへのちゃんは利発な少女

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そのさん【しめしめうひひ】

ちょろいちょろい。どいつもこいつもわたしの思うツボ

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そのよん【しぬしぬくるし】

流し目と唇を噛み締めて耐えているかのような表情に仇な年増の風情を。

ほんとうに苦しいわけではないのです。

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そのご【へへへへもっと】

悪ふざけにもおおらかさが見えると憎めませんね

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[] もうちょっとアップしとこう。へのへのアート 21:16  もうちょっとアップしとこう。へのへのアート - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  もうちょっとアップしとこう。へのへのアート - 風呂場猫のハタ織り  もうちょっとアップしとこう。へのへのアート - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント


そのろく【ぺろぺろぱっくん】

何を出されても文句を言わず、なんでも美味しくいただける。

そんなひとにわたしはなりたい。

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そのなな【しめしめくっタ】

『美味しかった♪おごってくれてありがとう』

お嬢さん、食い逃げですか。

神通力は期間限定ですぞ。

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そのはち【ヒーヒーいわしたろか】

脅し文句って関西弁だと怖いですよね。岸和田あたりのやんちゃなお兄ちゃんをイメージして描いてみました。

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そのきゅう【くすくすもーやだ】

たとえばカレシ等とじゃれあってる時、自然にかわいいモードの声が出てしまって自分でビックリすることがあります。こっぱずかしいですけど、思い出して表現してみました。

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そのじゅう【うめうめごっくん】

夏ですから麦茶あたりでしょうか。一気に飲み干した瞬間の清涼感を表現する試み。

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akky20050605akky200506052007/07/21 09:00昨日自分で、倖田來未バリの超セクシーガールをイメージして「えろえろもえこ」をへのへのアートしてみたのですが、「えろ」や「もえ」とは程遠い容姿になってしまいました。

otama-nekootama-neko2007/07/21 09:06アッキーさん、これって、誰でも気軽に思いついて描けるのがおもしろいでしょう。自分の名前なんかでやってみても楽しそうです。『えろえろもえこ』ですね。色気を出そうと思うとちょっと難しいかも。よーし!

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2007-07-01-Sun6月の作品

[] 夢 22:54  夢 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  夢 - 風呂場猫のハタ織り  夢 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント

 明け方夢をみた。わたしは長野かどこか空気のきれいな里に住む女を訪ねていった。女の家は木造の大きな平屋敷で新築らしい。男性の先客がおり奥から談笑している声が聞こえていた。女は玄関先にわたしを見つけ露骨に迷惑そうな顔をするが、わたしはうつむいていたので女の顔をみたわけでなくそう感じただけだ。女はわたしを私室に招き入れ忌々しげにノートをみせた。短歌風の文章が横書きに並んでいる。どうせ誰も理解しないのだと投げつけるみたいに言う。字は右上がりに尖って並んでいる。なんとなく楽譜の音符に似ているなと思いながらそれをテーブルの上に伏せた。

 女は顔を覆ってベッドに座っている。わたしは女を横にならせた。静かに足や背中やうなじを撫ではじめると敏感に反応しはじめた。いろんなことに飢えているのだなと思い、飢えを自覚するのは気持ちも体もピュアだからだとうらやましくなった。ふくらはぎはすべすべだった。女の肌はみんなこうだろうかと試しに自分の足も触ってみたがそれほど滑らかでなく少しがっかりした。女の背中が反って中心に熱と力が集まってくるのと同時に、自分がその家にきた理由を思い出した。わたしはどこかで偶然見た女の書いた詩に招かれたのだ。それには、わたしだけにわかるように「来い」という強いメッセージが込められていた。

 気がつくとわたしの手首から先は女の胎内にすっぽりと飲み込まれている。指先に異質なものの感覚がありつかんで引っ張ってみた。女は口を「O」の形に大きく開いて電気椅子の上の人のように痙攣している。ぐにゃりと暖かい生き物が粘液にまみれて出てきた。濡れた髪の毛に似た黒い物体がブルブルと震えている。猫。キジの雛。そんな感じだが見たことのない生き物だ。持ち上げてみると薄い革袋にお湯が入っているような感触がした。どこからか家政婦が部屋に入ってきた。銀色の入れ物を持っている。医療現場で使うような雲形の皿。慎重にその物体をを乗せ、尖った器具であちこち突ついて検分している。生き物には瞼があり時々瞬きをしている。家政婦が瞼を針で刺すと「キュー」と鳴いたが、それが瀕死の状態だということがなぜかわたしにはわかった。そのあと家政婦は無表情なままそれをどこかに運んでいった。女はうつぶせに突っ伏してぶっきらぼうに「いつもあのひとが処分するの」と言った。家の奥のほうから遠い水音がとぎれとぎれに聴こえた。

 リビングに行くと白髪の老人がいた。成金がゴルフにでも行くような格好をしていて女に向かって「出かけてくる」と言い、女は返事をしたが醒めた声だった。老人が出て行ってしまうと、また奥の部屋に引っ込んで最初の男性客となにやら話に興じているようだった。

 外に出ると奇妙に明るかった。女の家を出てバスに乗った。春でやわらかい色あいの花が土手沿いに咲いていて見とれた。バスは博物館のような建物の前で停車した。階段を下りるとプールがある。巨大な金魚鉢みたいな形で、何人かの人がひらひらと泳いでいた。水は温水。わたしも入る。底のほうまで20メートルぐらいあるようだ。真ん中で泳いでいて突然恐怖に襲われた。それまで感じたことのない種類の恐怖で、大声で叫ぶのに声が出ない。ヒューヒューと喉から空気が漏れるだけだ。そこにある水の質量全部がわたしに向かって押し寄せてくるような恐ろしさがあった。



 そのまま目が覚めたが寝汗をびっしょりかいていた。シャワーを浴びながら考えた。何かで読んだが、夢の中に出てくる登場人物は全部自分自身の投影なのだそうだ。ではこの夢の中の女は今の私の暗喩なのだろうか。夢が示す映像はときに気味の悪い「お告げ」のようである。おかしな夢をみたとき、いつもわたしは夢判断のサイトにかけてみるのだか、今回はやっていない。なんだか結果が怖かったのだ。でも、みた夢の内容を忘れたくなくてここに書いてみた。





[] 6月の作品 22:54  6月の作品 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  6月の作品 - 風呂場猫のハタ織り  6月の作品 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント

コンポラに作品をアップしました。


     ◆『呪文』


これは、コンポラGで2006.11.30の課題作品http://c-u.g.hatena.ne.jp/otama-neko/20061130として書いたものなのですが、そのときにメンバーのみなさんからいただいた批評を参考に、自分なりに咀嚼しながら加筆修正を加えた物です。悩みましたが、いつものように絵を添えるのは控えました。ペン画の老婆(魔女)の絵を用意しましたが、どうもミスマッチのような感じでした。自分が描くようなタイプの絵はイメージを限定してしまうので、扱いが難しいです。抽象画のようなものなら逆に想像を広げるのかもしれません。次回の課題です。

akky20050605akky200506052007/07/02 01:07「湿度の高い文体」というのはお玉さんが書くもののひとつのスタイルなのかな、という風に感じています。ブログ・バトル・ロワイヤルで初めて作品を読ませていただいた時に感じたのも「なにかこちらの心を蝕まれるようなジメッとした感触」でした。男女の関係を描くことが多いからということもあるのかもしれませんが、それだけではないような気もします。「ドロドロ」とも違って、まさに「ぬちゃぬちゃ」なのです。欲を言えば、もっとどうにもならない底なしの深みに引きずり込んでほしいと思いました。

otama-nekootama-neko2007/07/20 07:18アッキーさん、きっとわたしの中身は「ぬちゃぬちゃ」なのだろうと思います。包み隠そうとしても勝手に顔を出してぬめった痙攣を繰り返すかのように。本来もっているものがきっとそういうもので、なにかを書くたびに増幅しているような気さえします。BBRのとき、私の書いたものに一票を入れてくれたのはあなただけでした。でも、それより、全く知らない存在の人からいただいた丁寧な批評のおかげで「よし、次もなにか書いてみよう」と奮起することができたのです。本当は直にメールして、正直な気持ちを綴りたいくらいでしたが、アドレスを知らないので。
いずれ底なしのドロドロの深みに、あなたを引きずり込めればと(笑)

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2007-06-21-Thu39.1℃

[] 風邪男 01:08  風邪男 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  風邪男 - 風呂場猫のハタ織り  風邪男 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント


 熱が出た。

 プールのあとで露天風呂と水風呂に交互に浸かりながら月を眺めていて、感染した。感冒にかかったのはあの時に間違いない。わたしは油断していた。水風呂の中でプカプカと頭の悪いクラゲのように漂いながら、夜空を小刀で裂いた形の月に骨抜きになっていた。いつも、感染する前は危険に気がつかない。菌がある程度肉体を覆って悪寒の気配ではじめて、「犯られた」と気づく。クロロフォルムから意識を取り戻した直後の女子高生のように愕然とする。


 でも大人のわたしは抵抗なんかしない。抗ってもダメなことはわかっている。目を閉じ、したいようにすればいいと体を開き、されるがままになっていた。そいつは、わたしが無抵抗なのをいいことに丸一日かけてわたしを陵辱した。日中、人前で笑顔を作るわたしの耳元で聞くに堪えない言葉をささやき、眉間にしわを寄せて困惑する表情をみて愉しんだ。そして夜になるとさらに遠慮がなくなり、上気したわたしの頬やパジャマの下の肌を毒の舌で舐め回し一晩中果てることなくもてあそんだのだった。それは粘着に。

 高熱にうなされ、標高の高さを確かめるみたいにデジタルの表示をみたら39.1℃。ああ、ありえない。



           f:id:otama-neko:20070622010042j:image





     寝乱れた 明け方の閨艶めいて 我を組み敷きあの風邪男





【風邪による急な発熱の処方箋(お玉猫の場合)】

下げるコツはとにかく熱を出し切ってしまうこと。解熱剤や風邪薬は上がりきるまで飲まない。中途半端で飲むのは長引かせるだけであまりよくありません。免疫君が悪い菌と必死になって戦ってくれているの間は、彼の後ろで心配げに見守るお姫様でいましょう。下がりはじめたら飲んでよし。ユンケルもいっとくとなおよし。