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2006-12-09-SatコンポラGの合評会 *お玉* 

otama-neko20061209

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遅くなってしまいましたが、合評会に参加させていただきます。



◆約束

http://c-u.g.hatena.ne.jp/PacoGarcia/20061125

 今回はプリントアウトした全作品を、モスコーヒーを飲みながら読んでいたのですが、一作目ですぐに目が潤んできました。

 『私』と一人称の文体を使うと、その作者の印象と近いような錯覚をしてしまのは私だけでしょうか。その人の声や姿を知っていて、性別や年代や立場等、設定が似ている場合は特に。テンポの良い関西弁の語り口調が、脳内でなぜかぱこさんの声に変換されていたりして。それがいいことなのか悪いことなのかは置いといて、自分なりにすごくリアルに情景を描きながら読めました。

 描写や伏線の張り方が旨くて、今読み返しても胸がつまり泣けてしまいます。特に印象的な部分は、30年前の記憶がよみがえって、主人公が男泣きする周辺。タクシーの運転手だった亡きお父さんの描き方、卓越していると思います。

 ぱこさんの作風を真似することはできないけれど、こんなふうに誰かの心を強く揺さぶる文章を、いつか自分も書ける書き手になりたいと強く願いました。



◆ブチコ

http://c-u.g.hatena.ne.jp/puyop/20061130

 泣きました。泣かされました。もう、勘弁してって思うくらい。『約束』の次に続けて読んだのも失敗だったかも。すする鼻の頭が真っ赤になってしまった。

 二重にされて真っ暗な段ボールの内側をガリガリと必死で掻く姿、衰弱した身体で分厚い筵を噛み破ろうともがく子猫の姿が、描写されていないにもかかわらず、こっちは想像させられて、こみ上げてきて参りました。車に挽かれる直前の子猫は、もう幽霊みたいによれよれになっていたに違いありません。政恵のもとに帰り着きたい一念で、ただそれだけで、いったいどうやってたどり着けたのだろう。

 古い時代性、九州の家庭の封建的な雰囲気が、独特の話し言葉で表現され、田舎の風景の情景描写等も巧いと思います。

 土壇場でこっちの作品に切り替えたと聴いていますので、ぷよぱぱさんが本当に書きたかったほうの物語も、次回に読ませていただきたいと思っています。



◆善なる人々

http://c-u.g.hatena.ne.jp/namgen/20061130/1164896713

 凄く面白かったです。場面がテンポよく切り替わる映画をみるように読めました。描写の邪魔をする無駄な言葉が見当たらず、表現が場面にぴたりと合っているからだと思いました。文字数も多くてぎっしり詰まっているのに、ちっとも冗長な感じがせず、むしろこの長さが物足りない感じがしたぐらいです。もっとエピソードや、人物の過去などを書き加えて、長くしてももっと面白かったのではないかと思いました。

 キャラクターの中ではすごく鬼頭にひかれます。極悪な男には間違いないのだけど。悪い男にひかれてしまうのは、女の本能かもしれません。大きくて野卑で凄みのある男。ああ、最初にこんな男に当たって、すべてを刷り込まれたらその後の人生が大きく変わってしまうかもしれない。長い文を書くときの構成、改行や行間の開け方等、たいへん勉強になりました。

 続きが読みたい!美しい毒婦のその後がみたい。



◆殺意の谷

http://c-u.g.hatena.ne.jp/h_cat/20061130/1164897669

 あの秋田の連続児童殺人事件をもとにして書かれていると気がついたのは、途中で見覚えのある文章を見つけたときでした。『あの時、私は一人の人間をこの世に送り出してしまった。』から始まる部分です。全体を通して読んだ時、ここから次の場面が始まるまでの一部分だけ、文字の色が変わって浮き上がって見えるほど強い感じがしました。

 作者のブログである「アガスティアの葉に火をつけろ」にて、初めてそれを読んだ時、撃たれたみたいに強烈に心に残っていたのは、産む性、産まされる性について、同じ女として深く考えずにはいられなかったからです。あの許しがたい犯罪を犯した女は、もしかしたら自分だったかもしれないのだ、と。

 あと、皆さんの評にもありましたが、確かに最初のほうで多少、ゆきつもどりつして読まないとつながりがわかりにくいところもありますが、私はあまり気になりませんでした。読むものに有無を言わせず、情景の中に引きずり込もうとする強さが文体にあるのだと思います。ハムスター、最後のミルキーのエピソード。巧い。ぞっとしました。


◆うちの晩ご飯

http://c-u.g.hatena.ne.jp/susibar/20061127/1164593518

 子供の頃、大家族で囲む食卓はいつもにぎやかな笑い声で満たされていた記憶があります。それが当たり前の風景だと思っていました。でも、この子の家の食卓には笑い声がない。テレビの音と、黙々とお箸を動かす音が聴こえるくらい。

 見栄や欲がベースになった過剰な期待と干渉。精一杯頑張ったことを評価されない理不尽。晩ご飯の場面を切り取って描いているだけなのに、この子の世界は今後もずっとそういった呪縛で覆われてゆくのがわかる。ちいさな男の子が背負ってしまった重圧は、我々大人が大人の世界で遭う試練に比べても、とんでもなくキツいことだったろうと想像して、読んでいてなんとも痛々しかったです。

 子供ならではの簡潔な語り口、無駄のない文体で最後まで一気に読めて、心を打たれました。


◆旗振り

http://c-u.g.hatena.ne.jp/deepred_9/20061129/1164729374

 『この名前のない男の子の正体は誰だろう。もしかして幽霊?この危険な横断歩道で過去に自動車に跳ねられた子供っていう暗示かな。もしかしたら「りょうちゃん」がこの子供ってこと? でも、健司君には見えてないみたい。ってことは、ゆりちゃんだけ見えているもう一人の「りょうちゃん」ってことかしら。と、すると子供の姿なのはどうして?』

 なんて、いろんな?マークを頭に浮かばせつつ考えながら読みました。でも私が深読みするような意味は全くなく、日常のささやかな情景を描かれただけなのだと、皆さんの評をみて理解しました。えんじさん、ごめんなさい。私は読解力に自信がないのです。

 でも今回の作品には、ちょっと変わったトーンを感じました。危うさの暗示みたいなもの。なにか新しいものを産み出そうとしているのかなと期待しています。


◆塒(ねぐら)

http://c-u.g.hatena.ne.jp/BOBOBO/20061130/1164891579

 批評として、適切な表現ではないかもしれないですけど、読むという作業が純粋に「楽しかった」です。面白いとか感動したとかそんな感じではなくて、読んでいて、ただ楽しかった。今回の他のエントリーには感じない感覚でした。

 あとで何度か読み込むうちに、言葉が(おそらく彼的なルールの中で)すごく練られていることに気がつきました。暗示のための暗示とか、間とか、うまく言えないのですけど、とにかく読む人を意識して、あるべきところに置き石が厳密に選ばれて置かれていて、それをうまく隠してあるみたいな感じがしました。普段から長編を書いておられるゆえんでしょうか。

 物語のおちは、正直いってはっきりとは読み取れませんでしたが、どうころんでも私が絶対に書けない世界観なので、あらためて興味がわいているところです。




◆狼煙

http://d.hatena.ne.jp/tatsu_del_cielo/20061205/1165247838

辰さんへ

 今回、私はここで初めての短編を発表させてもらい、それを読んだあなたからまるで返歌のようにこの文章をいただきました。たかが私の書いた文章を隅から隅まで丁寧に読み込んで、女目線とは違った視点に書き換えて、まったく異なる物語にして見せてくれたことに素直に驚きました。

 推測ですが、辰さんはこの女の独白の中に作者である私の哀れさをみて同情をしたのではないでしょうか。そうして、女の救いになるような物語を考えつき、思わずコメント欄に貼付けてくれた。そんなふうに感じています。

 今回の皆さんからの批評を、どうか次回作に繋げてください。私ごときの作品の二重写しではない、辰さんしか描けない作品を期待しています。

 ここ、C-Uへ飛び込んできてくれてありがとう。

なにより、私の書いた初めての掌編を目印にきてくれて、嬉しかったです。






◆呪文(私自身の反省と、これから)

http://c-u.g.hatena.ne.jp/otama-neko/20061130

 まず、致命的にダメだった点は、お題の「縛り」を勘違いしていたことでした。

最初の一行ではなくて、どこかにそれが含まれていたらいいのだと思ってしまっていました。他の方のコメント欄にて気がつきましたが、修正はしないことにしました。ルール違反をしたこと、メンバーのみなさんにお詫びします。次回から気をつけます。

 今回の批評において、私は数名の方から描写等をほめていただけましたが、それを素直に喜べない自分がいました。なぜなら、これは創作というより「手記」に近いものだからです。見苦しい話ですが、今回どうしても描けなくて、土壇場でもうやけくそになって、実際にそういった空気のなかに身を投じて、惨めさを感じて、味わってみて初めて、やっと描けたという、笑えないいきさつがあります。設定こそ違うものの、これは生身の私自身に起こった出来事をあからさまに描く作業でもあり、羞恥と苦しみを伴いました。でも、南無さんがくださった評を読んで思ったのですが、いっそのこと設定等を変えないでそのまんま書いたら、物語が破綻しなかったんじゃないかと思ったりしました。

 きっと自分は周辺にあることからしか描けないのではないかと思います。

でも、これから先、毎回こんなことをやっていたのでは身が持ちませんし、書けるテーマも限られてしまう。悔しいけれど創作をしていくには、まだまだ経験不足で感覚が研ぎすまされていないことを思い知らされました。今はこつこつと書いて、読んで、描いて、より高みをめざして努力するしかないと思っています。

 コメントや、批評をくださった皆さん、心から感謝いたします。

 ありがとうございました!


http://c-u.g.hatena.ne.jp/namgen/20061210

tatsu_del_cielotatsu_del_cielo2006/12/10 00:06お玉さん。
>この女の独白の中に作者である私の哀れさをみて同情をしたのではないでしょうか。
そうではないですよ。
どういう事だったかは、改めて書きますね?

お玉さん、お誘いありがとうございます。
よろしくです!

otama-nekootama-neko2006/12/10 00:10>辰さん
では、楽しみにしております。これから刺激し合って書いてゆきましょう!よろしくお願いします。

deepred_9deepred_92006/12/10 01:45いつも似たような話ばかりなので、違うものを書いてみたいと思いました。結果失敗だったのですが、この失敗を次に繋げていきたいです。ありがとうございます。
読解力に自信がない、ということですが、お玉さんに「自信がない」なら、わたしには「そんなもの存在すらしない」です。

otama-nekootama-neko2006/12/10 01:59えんじさんが、「この設定で全く違う話を書こうとしていたのですが、いつのまにかこんな話になってました。」とコメント欄に書いてあったので、気になっています。どんなお話だったのでしょう。興味があります。これからも、えんじさんの本来持っているトーンを大切にして書いていって欲しいなと思っています。

h_cath_cat2006/12/10 18:00あの文章を憶えていてくれたことがとても嬉しいです。ありがとう。
それから『手記』の件ね。非常によくわかります。周辺にあることからしか描けないというのは誰も同じですよ。身を投じてみた、という貴女の気持ちは皆理解できるのではないでしょうか。恥じることなど全くないです。むしろ私は拍手を贈りたいくらい。

otama-nekootama-neko2006/12/10 18:27今回、苦しんで書いてみたことで、自分なりに吹っ切れたところがあります。でももっと焦がれたり、傷ついたり、熟れた女だからこそ体得できる瞬間があるはずで、あらゆる感覚をあますことなく使って、そういうものを刹那的に貪欲に求めてゆきたいと思うようになりました。今、刺激的なこの場が愛しい。感謝しています。ありがとう。

h_cath_cat2006/12/10 20:10・・・おまい自分で“熟れた女”ゆうなよ。w

otama-nekootama-neko2006/12/10 20:16ぐふふ。じゃあ爛れた女。

namgennamgen2006/12/10 20:46ども、こんばんは、鬼頭です。そうですか気に入ってもらって光栄です。女からは利息の代わりに玄関で押し倒してセックスをするという傍若無人ぶりです。そのことによって「一日分」の利息を勘弁してやっているという心根の優しいところもあります。10万円の貸付の場合は月一割ですから330円ぐらい引いとります。過去に二度ぐらい和鋏とか包丁とかで女共に刺され損なってます。いずれの場合も店付で女を売り飛ばしました。この作品の中では意外とあっさりと殺されちまったが実物はそんなに柔ではありません。当時は「庶民の敵」と三面記事を賑わしました。顔ですか?髪が長く18金フレーム薄紫のグラサンで典型的ないけ好かない男でした。今はどうも坊主頭のようです。がはは。批評ありがとう。

puyoppuyop2006/12/10 23:21遅くなりました。
死んだばあさんが、思いだす度
「アレは、賢い猫やった」
と言っていましたから、相当なモノです。
本物のブチコは、人に拾われたにしても、その時は無念だったにしても、も、ン十年も前のことなので、そろそろ4,5回目の人生……いや、猫生をおくってると思います。
だって、猫は7つ命を持っているって、いいますからねぇ。^^
……あれ?七代祟るんだっけ?^^;
と、とまれ、コメントありがとうございました。
次も精進します^^v

otama-nekootama-neko2006/12/11 00:19鬼頭さん、こんばんは。
ああ、もう、大笑いしてしまいました。
物語のヒロインのように最初に出くわしていたら、きっと人生を狂わされています。寒いおり、古傷が痛むこともあるかもしれません。どうかご自愛くださいませ。

otama-nekootama-neko2006/12/11 00:22ぷよさん、知ってます?
百年以上生きた猫は「猫又」というのですよ。
たしか、あぐりこさんに教えていただいたまめ知識だったような。ブチコ、どこかで生きていて欲しい。それぐらい、リアルに感情移入したお話でした。

susibarsusibar2006/12/11 11:32何不自由ない不幸な少年時代をすごしていたことが今更になって痛感して書きました。こういう、生きながら死んでいたような少年のお話ならいくつでも書けるような気がしてきてます。

otama-nekootama-neko2006/12/11 17:59更新ボタンを押すのが怖かった気持ち、私にもすごくわかりました。でも、少年期、きつい体験を経たあなただからこそ書けているのだと思います。これからも新しいテーマに果敢に挑戦していって欲しいです。

BOBOBOBOBOBO2006/12/11 22:18>他のエントリーには感じない感覚でした。
考え過ぎて失敗した、と思ってますがそう感じていただけたなら幸いです。ありがとうございました。

otama-nekootama-neko2006/12/12 20:44次回はやはり長編なのでしょうか。
とても楽しみにしています。また楽しませてください。一読者として。

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