風呂場猫のハタ織り このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-05-12-Sat

otama-neko20070512

[] 乳 08:11  乳 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  乳 - 風呂場猫のハタ織り  乳 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント


 もうすぐ、祖母の四十九日がくる。

祖母は長期入院の果てに他界した。この世からいなくなってしまったのだと、今頃になって感じはじめた。でも『死』の実感はまだない。

祖父のときもそうだったが、ふたりとも寝たきりになって、ゆっくりとあの世に向かっていった。何ヶ月もかけてじわじわと衰弱していったので、いわばその頃から死んでいるのとさほど変わらない状態だった気もする。


 祖父は、病院ではなく自宅で息を引き取った。

母屋の座敷に敷いた布団の上から、「おぉい」と弱々しく家族を呼び「白いのをくれ」と言った。「白いの」とは、牛乳のことだ。最後の数週間の祖父は、牛乳だけで命をつないでおり、寝返りをさせるたびに苦しげに唸っていた。母が牛乳を「吸い飲み」に入れて、もっていこうとしたとき、来客があり、ついそのまま話し込んでしまった。客が帰って台所に戻り、置きっぱなしにしたお盆を見て、ふと、胸騒ぎを感じたという。座敷が妙に静まりかえっているような気がしたのだ。様子を観に行くと、祖父は冷たくなっていた。


 ふたりとも、天井の模様を睨みながら息絶えた。

たいていの人が、この世の最後にそんなものをみて終わりになるのだろうと思う。きょうのような五月の青空じゃなくて。



[] 復帰しました。 08:11  復帰しました。 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  復帰しました。 - 風呂場猫のハタ織り  復帰しました。 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント


 祖母の葬式の後、体調を崩して入院しておりましたが、先日退院しました。皆さんにご心配をおかけしてすみませんでした。ぼつぼつ、無理のないように創作をしていこうと思います。

akky20050605akky200506052007/05/12 10:46何も存じませず失礼致しました。どうぞ無理せずご自愛くださいませ。

otama-nekootama-neko2007/05/12 11:14アッキーさん、ありがとうございます。短編小説、精力的に書かれていますね。すごく刺激になっています。わたしも今日は午後から絵を描いてみようと思ってます。

スノースノー2007/05/15 22:17天井の向こうに、いろいろな風景が浮かんでいたのではないかと思います。
きっと、きっと。
お玉さんも、その風景に溶け込んで。

otama-nekootama-neko2007/05/16 21:29スノーさん。ほんと、そうだったらいいなと。危篤で呼吸困難になっているときは、意識はないから苦しみも感じていないのだそうです。でも本当にそうだろうかと、喘ぐおばあちゃんを見ていて思った。意識がなくなる前の日、わたしが帰ろうとしたら『もう帰るん?』って、泣いたんです。辛抱強くてそんなこと、言ったことない人だったのに、まるで小さい子供みたいに。

トラックバック - http://c-u.g.hatena.ne.jp/otama-neko/20070512