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2007-06-10-Sun忌明け

[] 羽根ペンでラクガキ 00:14  羽根ペンでラクガキ - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  羽根ペンでラクガキ - 風呂場猫のハタ織り  羽根ペンでラクガキ - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント

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土曜日、道ばたに落ちていた鴉の羽根。

鼻を近づけると乾いた毛皮の匂いがした。

犬のに似ている。もしかしたら、狼の匂いって嗅いだことないけど、

こんなじゃないのかしらと思ってみたり。

インクをつけて、ちょっとラクガキしてみた。

なんだか楽しい


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[] 湯治場 10:46  湯治場 - 風呂場猫のハタ織り を含むブックマーク はてなブックマーク -  湯治場 - 風呂場猫のハタ織り  湯治場 - 風呂場猫のハタ織り のブックマークコメント

 昨日、午前中は祭壇を片付けた。祖母の四十九日が終わり遺品の整理などをボツボツとした。着物の虫干しをしながら、あらためて「質素な人だったんだな」と思った。身にまとったところを一度も見たことのない着物がたくさんあった。袖を通してみたが、私にはどれも裄が足りない。残念ながら、祖母と体型が似ている叔母の手に渡るのだろう。


 午後は出かけた。美術館にいった帰り、思いついて温泉街に立ち寄った。

 温泉にいきたいと思ったのは、美術館で見た絵に「白鷺伝説」を描いたらしきものがあったから。白鷺伝説とは、足を怪我した白鷺が岩の間から出る水に足を浸したらみるみるうちに調子がよくなって飛び立っていったのを、偶然に村人が見ていて温泉が発見されたというもの。たぶん、飛鳥とか天平とかそれ以前の時代の話だ。その絵は小さかった。濃い藍色の空のした、片肌を脱いで物思いに耽る女の肩越しに流れ星。ふわりと飛びたつ白鷺。絵はちょうど出口のあたりにあって、まるで順路を示すひとさし指の絵みたいだと思った。少なくともわたしにとっては暗号めいた標識になっていた。今日、ここに白鷺を見つけたわたし。素敵だ。


 道後温泉の本館は、アニメ映画千と千尋の神隠し」の背景のモデルにもなった古い木造の建物だ。坂を降りながら見上げると、二階の欄干から浴衣のお婆さんが柱にもたれてお茶を飲んでいる。目が合ったので会釈をしたら、こっくりとかえしてくれた。

 入り口の小窓で小銭を払った。400円。高いのか安いのか。石けんとタオルを50円で借りて、いちばん庶民的な「神の湯」に入った。もうすこし上等な「霊の湯」もあるが、ひとりなのでエコノミーでじゅうぶんだ。

 高いほうのお風呂だと、浴衣を貸してくれて一時間程休憩ができる。個室の欄干から温泉街の路地を見下ろし行き交う人たちを眺め、湯上がりの火照りが落ち着いた頃にお茶が出る。天目茶碗に茶菓子を添えて仲居さんが運んできてくれる。ずっと昔、そこで過ごしたことがある。海を越えてわたしを迎えにきた男と一緒だった。寄り添って欄干で涼んだ。浴衣越しに感じた放射熱を覚えている。トクトクと早い心臓の音。数日後、わたしは戸籍を移し、三年足らずを違う名前で生きたのだった。


 温泉は混んでいた。湯船から壁画がみえる。オオクニヌシノミコトとスクナヒコナ。体調を崩したスクナヒコナを大きな掌にのせて温泉に浸すとたちまち快復し、お陰でほらこんなに良くなりましたよと、石の上で小躍りしている絵だ。調子のいいやつめ、本当は仮病だったんじゃないのかとデコッパチをしたくなる。

 千と千尋の映画のなかの神様たちは大勢でツアーをくんで湯治にきた。オシラサマは巨大な大根の姿。そういえば、大根という野菜は偶然とは思えないくらいエロティックな造形に育つことがあるよなと、目の前の同年輩の女の腰肉のつき具合を眺めながら思い出した。ふだん衣服の奥に隠されているものもここでは当たり前に晒されている。ゆるんだ肉体の線は多弁だ。本人が「とても人様にお見せできる物ではないから」と、恥じ入って隠そうとしてこそ淫靡にもなる。湯の中に揺れるわたしの足もなかなかの貫禄で、もはや実用のみで観賞用にはなり得ない。ぐったりと湯船につかっていると、あちこちの体のねじが緩んでいくのがわかる。湯船を出て最後に冷水を浴びた。


 帰り道、駐車場の近くの木陰で鴉の羽根を拾った。なにかで読んだが、鴉という鳥の死骸はめったに見つからないらしい。鳩や猫の死骸は道ばたに落ちているのを時折見るが、あんなにたくさんいる鴉の死を見たことがないのはなぜだろう。賢くて抜け目のない鴉たち。人間ごときに亡骸を見せてなるものかと、彼らの掟があるのかもしれない。鴉が息絶えるのはどんな場所なのか。深い森の奥。鴉の死体で出来た小山。わたしは鞄の中に羽根をしまった。ノースリーブの腕に日差しが心地よかった。


 夜は、久しぶりに三味線お稽古に顔を出した。歌舞音曲の類いも本日解禁というわけで、気合いを入れて「長持ち唄」を唄った。これは、娘を嫁に出すときの祝い唄だ。白装束の祖母が若い女の姿にもどって、川の向こうからわたしに手を振っている絵が見えた気がした。

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akky20050605akky200506052007/06/11 00:57烏の羽で絵を描いちゃうなんてすごいですね。
僕も子供のころに飼ってたインコの羽(抜け落ちたやつ)で字を書いたことはありますけど。インコの羽はほとんど無臭でした。やっぱり野生の動物の匂いは違うんですかね。

otama-nekootama-neko2007/06/11 01:17インコ!鳥かごの前で座り込んで字を書くアッキー少年の絵が浮かんじまいました。眼鏡とサスペンダーの半ズボンの男の子。で、やっぱり羽根の匂いを嗅いだのですね(笑)
さっき描いてて思ったんですが、鴉の羽根って線に味が出て面白いです。ちょっと遊んでみます。

akky20050605akky200506052007/06/11 09:12眼鏡はビンゴです。実際にかけはじめたのは中学生になってからですが、小3ですでに視力0.3でした。僕はお玉さんの中でのび太クンみたいなイメージなんでしょうか。さかしまリングはジャイアンみたいにおっかない人が多そうなのでビクビクしているところです(笑)

otama-nekootama-neko2007/06/11 21:24ジャイア…(笑)お玉の脳内にアッキーさんのイメージはブログのアバターそのまんまで刷り込まれちゃってます。そういえば、のび太クンに似てる? それしにても、さかしまリングにいろんな個性が参加して刺激的な場になってきましたね。緊張しながら興奮していますよ。ここに呼んでもらったかぎりは、毎日なにかしら自分もいいものを創っていけたらいいなあと思ってます。アッキーさん、いま書かれている物語、苦心しているみたいですね。出来上がりが楽しみです。

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