PET SOUNDS このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-04-18君のための椅子 このエントリーを含むブックマーク

それは単純なことだった。

でも、僕はそれに気がついていなかった。

空席という事実を、不在としか結びつけていなかったのだ。

これから君が座るであろう椅子のことを書いて、その単純な事実を知って、僕はくすくすと笑ってしまうほど、頼もしいような可笑しさを感じた。

君を待っているこの空席。

やがて君はこの空席を温めてくれるのだ。

空席=永遠の不在説は太宰さんのこんな言葉を私が勝手に信奉していたからだった。


「君が死ねば、君の空席が、いつまでも私の傍に在るだろう。君が生前、腰かけたままにやわらかく窪みを持ったクッションが、いつまでも、私の傍に残るだろう。この人影のない冷い椅子は、永遠に、君の椅子として、空席のままに存続する。神も、また、この空席をふさいで呉れることができないのである。」


深夜、暖かい雨が降り出した。

慈雨。

やがて芽を出す、花が咲く。

私は、大きくなり始めたおなかを撫で、再び眠りにつく。

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ポール、ペンで書いた。